診療料金は?

訪問歯科は、家に歯科医師を呼んで様々な治療をしてもらうため、かなり高額になると考えている方も多いです。しかし、実際は健康保険や介護保険が適用されるので、通常の歯科受診と大差ない金額しか発生しません。生活保護でも問題なく利用する事ができます。

自宅訪問でも2,000円程度で受診可能

寝たきりでなかなか上手く歯を磨けない、歯の痛みを訴えている、入れ歯を使いたがらなくなった…という時こそ、訪問歯科を利用すべきなのですが、なんとなく「利用料金が高そう」と利用を懸念している方も多いのが現状。たしかに、医師が器具を持って家に来てくれるというのは特別感がありますよね。

しかし、実際は全てが医療保険や介護保険の対象になるため、自己負担額はかなり低くなります。

検査・治療費=医療保険が適用されます

検査・治療費の負担分です。こちらは歯科医院に通って治療を受けるのとまったく同じ額を支払うことになります。

区分 概要 自己負担額
後期高齢者 75歳以上、もしくは65歳以上で障害認定をうけた方 1割
前期高齢者 70~74歳 2割
障害者/生活保護 障害手帳を持っている方/生活保護を受けている方 各市区町村の減免と同じ
一般・現役並所得者 70歳以下、もしくは70歳以上で現役並み収入のある方 3割

指導料=介護保険が適用されます

要介護度1以上の患者1名、自宅に来てもらう場合の値段。複数名の場合は50円程度安くなります。

  • 歯科医師による診療(月2回まで):1回503円
  • 歯科衛生士による診療(月4回まで):1回352円

歯科訪問診療料

  • 1人を診療する場合、診療時間20分以上=866点(1割負担の場合870円)
  • 1人を診療する場合、診療時間20分未満=143点(1割負担の場合140円)

その他

  • 急性対応=170点(1割負担の場合170円)
  • 訪補助=175点(1割負担の場合110円)
  • 歯科診療特別対応加算=175点(1割負担の場合180円)※歯科受診が極めて困難な場合

つまり、通常かかる検査治療費に加えて、指導料+訪問診療費がかかる仕組みになっています。

歯周病の治療や虫歯治療、入れ歯の調整など点数があまり高くない治療であれば、1,500~2,000円程度で済んでしまいます。3割負担でもこれぐらい掛かることはよくありますよね。

思っていたよりは対したプラス金額ではないな、というのがご理解いただけたでしょうか?

ちなみに、「お礼」は全く持って不要。交通費もほとんどの医院では請求されず、もしあったとしても小額で済むので予定外の出費の心配はいりません。

金額に臆せず、訪問歯科を積極的に利用して患者さんの「食べる楽しみ」を引き出してあげてくださいね。

3 B06309 訪問歯科 加筆

訪問歯科の費用の内訳について

訪問歯科にかかる費用は、基本的にすべて保険適用となっていて、治療に関しては医療保険、指導に関しては介護保険の2種類を同時に使うことが決められています。費用の中には、訪問歯科診療費・指導費・治療(検査)費の3つの費用が含まれており、訪問歯科を自宅で行うか施設で行うかによっても費用が変わってきます。

対象となる保険ごとに異なる自己負担金

国民保険や社会保険に加入している人

一般的な保険に加入している人は、通常のように歯科医に通院する場合と同じく、3割負担となります。

後期高齢者医療制度の対象となる人

75歳以上の人や65歳以上で広域連合から障害認定を受けた人は、1割負担となります。

障害者や生活保護を受けている人

障害者認定を受けている人は、等級や収入によっても異なりますが、虫歯の治療や入れ歯の修理などは自己負担金0円で診療を受けることが可能です。また、生活保護を受けている人も、福祉事務所で発行してもらった医療券や介護券があれば、自己負担金なしで診療を受けることができます。

介護保険の対象となる人

要介護認定や要支援認定を受けている人で、自宅や居住系の有料老人ホーム、グループホーム、サービス付高齢者向け住宅に入所している人は介護保険の対象となり、 居宅療養管理指導の費用が1割負担になります。

診療場所と人数によって異なる訪問歯科の費用

訪問歯科は、特養や老健などの社会福祉施設や病院などで診療を受ける場合と、自宅や居住系の有料老人ホーム、グループホーム、サービス付高齢者向け住宅などで診療を受ける場合で料金が異なります。

診療場所 訪問歯科診療費 指導費 治療(検査)費
社会福祉施設や病院など 同一建物内の患者人数や診療時間により120円・280円・870円の3種類がある 訪問歯科衛生指導料 120円または360円
(月4回まで)
在宅療養管理料等
190円(月1回)
治療や検査などの内容によって金額が決まる(下記参考)
自宅や居住系の施設   介護保険適用で1割負担
・歯科医師 452円または503円(月2回まで)
・歯科衛生士
302円または352円
 

※指導費には上限があり、社会福祉施設や病院の場合は月上限 480 円〜1,440 円、自宅や居住系の施設の場合は月上限 2,112〜2,414 円。

具体的な訪問歯科にかかる治療費用

訪問歯科によって受けられる治療の具体的な費用の例をいくつかご紹介します。

※以下は1割負担の場合の金額です。

  • 歯石除去 1回:100 円~600 円
  • 虫歯の治療 1本:600 円~4,000 円(虫歯の進行具合による)
  • 抜歯 1本:300 円~1,200 円
  • 総入れ歯 上下片方:4,000 円~6,000 円(型取りから完成まで)
  • 部分入れ歯 上下片方:2,000 円~4,500 円(型取りから完成まで)
  • 入れ歯の修理 上下片方:210 円~3,000 円
  • 入れ歯の調整 1回:100 円~300 円

訪問歯科でかかる費用の合計とは

訪問歯科に必要な費用は、上述したように訪問歯科診療費・指導費・治療(検査)費の3つの費用の合計となるため、少し計算がややこしく感じるかもしれません。たとえば、後期高齢者医療制度と介護保険の対象となる人が、自宅で虫歯の治療と歯科医師による指導を受けた場合、訪問歯科診療費870円+指導費503円+治療費1,000円=自己負担金合計2,373円となります。

治療内容によって治療費は変動しますが、入れ歯の修理や作成に関してもそれほど高額ではないですし、指導費には上限があるため、支払う金額の合計が高額になる心配はありません。

虫歯の治療は放っておくとどんどん悪化してしまいますし、合わない入れ歯を使用していると食事もままならず、誤嚥性肺炎などの危険な症状につながる可能性もあります。 訪問歯科は高額になりそうでなかなか依頼しにくいという方もいらっしゃるかもしれませんが、特別費用が割高になるということもありませんので、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

 

参考:『歯科訪問診療の費用についてのご説明』横浜市歯科医師会・歯科医療連携室
http://www.yokoshi.net/pdf/houmonannai.pdf