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訪問歯科可能な距離はどれくらい?

ここでは、訪問歯科診療においては、そのクリニックや病院のある場所からどのくらいの距離なら訪問可能なのか詳しくお話します。

クリニックや病院のある場所から半径16km

訪問歯科診療においては、そのクリニックや病院のある場所から半径16kmの距離であれば、患者さんの元に医師が赴いて訪問診療を行うことができます。 俗に「16kmルール」と呼ばれている規定で、歯科医院が開業した場所から16km以内であればどこへでも訪問歯科治療が可能という意味であり、自力で歯科医院までアクセスができない患者さんにとっては安心です。

片道30分圏内でエリア指定も

時間的な問題やアクセスの難しさなどから、実際のところは16km一杯に訪問するケースはあまり多くはありません。中には複数の患者さんへの訪問歯科診療をこなしているために、16kmの場所まで手が回らないといったケースもあります。 そのため、16kmではなく「片道30分圏内」など、距離ではなく時間でエリアを限定しているクリニックも少なくありません。

この規定のさらに細かなルールとしては「往診や訪問診療に関しての規定」であるということです。また、医師が患者さんの暮らしている介護施設などに出向く際、直線距離にして16km以内でなければ訪問診療としての診療報酬を請求することができません。 一方で離島など例外的に認められるケースもあるため、地域によって微妙な違いがあることがこのルールの特徴となっています。

16kmを超えたら?

16kmを超えて往診や訪問診療を行うこともできますが、その場合は往診料が患者さんの「自己負担」となります。ただし、近隣に一切医療機関がない、専門治療ができないといった特殊なケースでは、やむを得ない理由であるとして健康保険が適用になります(この際、特別往診料という点数が付けられます) 16kmというエリアは一見広くゆとりがあるように思えますが、エリアによっては病院の転居や閉院、医師の高年齢化などによって、16kmあっても医療機関にかかれないという場合もあります。

離島や過疎地域のみならず、都市部においても、訪問歯科診療を受けたくてもなかなか受けられないというケースもあります。 都心部や大都市圏など、人の多いエリアには病院が充実していますが、それ以外の場所では16kmの規定があってもカバーしきれず、患者さんが不安に感じる場合も少なくありません。

そのため最近では、地方を中心にこの16kmルールを緩和しようという動きもみられます。地方では歯科医師の高齢化や病院・クリニックの数の問題、小規模型の歯科医院が多く訪問治療が難しいなどの理由もあり、16kmをさらに拡げて適用しようという議論も始まっています。

道路の混雑状況や地形・時間的都合により訪問が難しい場合もある

医師にとっては16km一杯まで訪問診療を行いたい気持ちはあっても、実際には時間的都合やアクセスの問題などで難しいというのが実状です。 その日一日の予定を組み立てるにあたって、効率良く診療に回れるルートを考えなくてはならないため、16kmを意識したプランではなく、道路の混雑状況や地形なども鑑みなければなりません。

介護施設の場合はあらかじめ訪問する予定日時が決まっていますが、緊急の事態が発生した場合には例外的に現場に医師がかけつけることもあります。その際には、介護施設と歯科医院の間での連携や迅速なやり取りが不可欠となります。