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本当は怖い、高齢者の口腔乾燥症(ドライマウス)

ドライマウスは年齢に関わらず、緊張状態が続いたり、激しく発汗したりする状態に多く現れます。

ここでは、加齢とともに起きる高齢者のドライマウスについて紹介していきたいと思います。

口腔乾燥症(ドライマウス)とは?

ドライマウスとは、加齢や生活習慣などさまざまな理由によって唾液の量が減少する症状です。

高齢者の場合、加齢によって自然に唾液の分泌量が減るとされていますが、糖尿病や腎不全といった病気によってドライマウスが生じているケースや、加齢と病気がともにドライマウスを引き起こしているケースもあります。

中には薬の副作用やストレス、筋力低下によってドライマウスが起きているケースもあり、患者さんによって原因はさまざま。

唾液が減ると、口の中のねばつきや乾燥が気になるといった自覚症状が現れますが、ひどくなると舌がヒリヒリする、口の中全体に潤いがなくなるといった症状へと進行します。

高齢者の場合、パンやビスケットなどの硬いものや乾燥した食品が食べづらくなったり、口の中でくっついたまま取れにくくなるほか、義歯が不安定になりやすくなるなど、口腔内のトラブルにつながるおそれも。

どのような危険性がある?

ドライマウスは口の中が常に乾燥する症状で、唾液による自浄作用が働きにくくなります。

常に口の中が乾いた状態であると、外から入ってくる細菌を押し流す作用が働きにくくなるため、通常の状態よりも感染症にかかりやすくなり、虫歯や歯周病の危険性があります。

また、口の中の滑らかな動きを妨げるため、舌の痛みや口内炎ができやすくなるといったリスクも。

高齢になると、食べ物がスムーズに飲み込みにくくなることで食べ物が気道に入りやすく、口の中の細菌が一緒に肺に入って炎症を起こす「誤嚥性肺炎」を起こしやすくなります。

誤嚥性肺炎は75歳以上の高齢者の、死因の上位にも数えられています。割合として、肺炎で亡くなる人の9割以上が65歳以上の高齢者であり、そのうちの約7割が誤嚥を原因としています。

なぜ高齢者がなるの?

高齢者がドライマウスにかかる原因には、第一に加齢によるものが挙げられますが、薬剤による影響や糖尿病などの疾患、噛む力の減少による唾液の分泌量の低下なども考えられます。

水分を摂らない習慣がある方はさらに体内の水分量が減るので、ドライマウスにかかりやすくなります。

高齢者は若年層や中高年層に比べて口まわりの筋肉の働きが低下するため、高齢になるほどに噛む力が衰えていきます。

歯が抜けている、不安定な入れ歯を使っているといった方は、さらに噛む力が衰えやすいため、唾液の分泌量が減りやすくなります。

食事内容が軟らかいもの中心になると、舌やあごの筋肉が使われず、唾液がさらに出にくくなり、ドライマウスが習慣化するおそれも。

治療するには?

ドライマウスの治療は患者さんの健康状態や根本的な原因によって、対処法が異なります。

もっとも基本的な方法としては、生活習慣の改善が基本となります。禁煙や減煙などの生活習慣・嗜好品に関する指導を受ける場合や、保湿用のマウスピースを使うといった補助的な方法も用いられます。

薬剤性のドライマウスは、薬を変更もしくは中止することによって解消が期待できますが、加齢による自然なドライマウスについては、普段の食事の中で噛む回数を増やしたり、こまめに水分補給を行ったり、うがいなどを意識的に行うようにします。

それでも解消しない場合は、口の中に塗る保湿剤などを使うこともできますが、できれば薬剤に頼らずに噛む力をつけるようにしましょう。

水分量が足りない方は意識的に水やお茶を飲むようにして、生活習慣を改善していくことが大切です。